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2021年04月07日

気象観測機器

春はISSのメンテナンスをしましょう―Vantage Pro2編

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春になって気候が暖かくなってきたら、お使いのウェザーステーションをメンテナンスするのにも絶好の時期です。デービス社のウェザーステーションは最小限のメンテナンスで10年以上稼働できることが実証されていますが、毎年予防的にメンテナンスを行っておくことは悪い考えではありません。”COVID-19″の影響もあって外出する機会が減ってしまったなら、じっくりとウェザーステーションのメンテナンスに取り組むのもいいでしょう。1年365日、24時間毎日稼働している働き者のウェザーステーションはちょっとしたお手入れでデータ・パケットの送信欠落を起こさずに済みます。ここではVantage Pro2のメンテナンスについてご紹介します。ステップ・バイ・ステップでどのようにお手入れをしたらよいかご紹介しましょう。

用意するもの

じっくりとメンテナンスをするなら、こんなものを用意しておくとよいかも知れません。
・リチウム電池(CR123A)
ごみ取りスクリーン(#7342-283)
・ティッピング・スプーン・リプレイスメント・キット(#7345-147)
風速カップ(#7905L)
2013年以降のD型シャフト用風向ヴェン(#7906L)(旧タイプは#7904)
ISS部ソーラーパネルカバー(ワイヤレス式用#7345-114)もしくは
 ISS部フロントパネルカバー(ケーブル式用#7342-057)
お手入れの道具としては以下のものを用意するとよいでしょう
・六角レンチ
・プラスドライバー
・柔らかい布
・柔らかいブラシ
・きれいな水
必要に応じて用意しておくとよいもの
・コンソール用の単二電池、単三電池
・パイプクリーナー
・電圧計

VP2 ISSの メンテナンス

メンテナンス 手順

最初に、誤ったデータを記録してしまわないように、本体の電源とコンソール(またはウェザーリンクLive)の電源をオフにします。電池を取り外すか、AC電源を抜いておきます。もしセンサースイートがアクセスしやすい場所に取り付けられているのなら、取り外す必要は無いかも知れませんが、作業をしやすくするには、マウントを取り外して、清潔で明るい作業スペースに持って行った方が良いでしょう。

もし風力センサーやISSを屋根の上や高いポールの頂点に取り付けているのなら、安全に気を付けながらそれをしっかりした地面まで降ろしましょう。もしセンサーを丸ごと屋根に取り付けているような場合は、これを機にもう一台のポール付き三脚に投資して風力センサーをISS本体から離してもっと高い位置に取り付け直すのも良いかも知れません。

まず風力センサーのお手入れから始めてみましょう。六角レンチを使って風速カップのネジを緩め、カップを取り外します。カップを取り外したシャフトを指で回してみましょう。それはスムーズに回りますか?もし引っ掛かりが感じられたり、スムーズに回らない場合はウインド・ベアリングが摩耗している可能性があります。その場合はこれを交換する必要があります。風向ヴェンは多少引っ掛かりを感じても問題ありません。風速計には絶対に潤滑油やグリースなどを注さないでください。故障の原因となります。風速カップは柔らかい布で拭いてあげましょう。そしてシャフトに確実に取り付け、ネジを元通りに締め付けておきます。風向ヴェンも同じように柔らかい布で拭いてお手入れしておきましょう。風速カップや風向ヴェンに破損が見られたら、正確な測定を維持するために交換しましょう。弊社では交換用のリプレイスメント・パーツとして風速カップ風向ヴェンの単体パーツをご用意しています。

ISSを分解して メンテナンス

次にレインコレクター・コーンに取り付けられたごみ取りスクリーンを取り外し、コーンに溜まったゴミを取り除きます。レインコレクター・コーンは左に回して持ち上げると外れます。もしお使いのコーンが旧タイプのコーンでしたら、新しいエアロ・コーンに交換するのによい機会かもしれません。

ゴミ取りスクリーンやバードスパイクを紛失したりしていたら、リプレイスメントパーツをご用意していますのでお問合せください。次に転倒枡(もしくはティッピング・スプーン)をチェックします。旧タイプの転倒枡をお使いの場合は新しいティッピング・スプーンに交換するのもよいでしょう。柔らかい湿らせた布を使って埃、ごみ、虫の卵や蜘蛛の巣などを取り除きます。この時、転倒枡やティッピング・スプーンの表面に疵をつけないように気を付けてください。ザラザラした砂状の埃をこすったりすると疵が着いてしまうことがあり、測定精度に影響が出ます。パイプクリーナーを使用してレインコレクターの漏斗穴からきちんと水が流れることを確認しておくとよいでしょう。コーンとごみ取りスクリーンを元に戻します。

センサー・インターフェイス(SIM)の外側とソーラーパネルを拭き取りましょう(ケーブル式のISSにはソーラーパネルはありません)。デービス社のソーラーパネルは非常に効率的で、見た目が曇ってしまっていても、多くのエネルギーを作り出しています。しかし長年風雨にさらされ、夏場の直射日光を浴びているとパネルカバーの樹脂が劣化してくることがあります。その場合はこれを機会にパネルカバーを交換しましょう。センサーインターフェースのカバーを開けてソーラーパネルのケーブルを外します。センサーからのケーブルが正しくRJ-11ジャックに接続されているか確認してください。プラグや基板に腐食が無いかも確認しておきましょう。デービス社では基板の一部にSuper Lubeシリコーン誘導体ジェルを使用している場合があり、それはやや茶色かがって見えますが、腐食ではありませんのでご安心ください。

ワイヤレス式ISSの場合はこの機会にリチウム電池(CR123A)を交換するのもいいでしょう。それは測定場所の陽当たり具合にもよりますが、2年程度はもつはずです。しかし電圧テスターをお持ちならば、電圧を測定して2.8V以下の場合は交換してください。

次にラジエーション・シールドを取り外します。分解して全てのラジエーション・シールドの表面をきれいにしましょう。24時間循環ファン付きモデルをご使用の方はモーターと電池を交換するタイミングです。Vantage Pro2 集積センサー・パッケージ(ISS)設置マニュアルの32ページにラジエーション・シールドの分解方法の説明があります。基本的な手順としては、まずセンサー・インターフェイス・モジュール(SIM)から温湿度センサーのケーブルを取り外します。次にプレートを元の順番を維持するように注意しながら分解します。これを忘れると再度組み立てるのに時間がかかってしまいます。分解すると温湿度センサーにアクセスできるようになります。(この交換用温湿度センサーは2016年以降のシステムに最適化されています。それ以前のモデルをお使いの場合は弊社サポートにお問い合わせください。)柔らかいブラシでセンサーカバーのメッシュを丁寧に掃除します。決してセンサー自体には触らないで下さい。掃除が済んだらラジエーション・シールドを元の順番に戻しましょう。SIMに接続されていたケーブルを元に戻して、開口部を塞ぐスポンジもしっかり差し込みます。ソーラーパネルのケーブルも元に戻してフロントパネルカバーをしっかり閉じます。隙間が空いていると雨水が中入ってしまうことがありますので気をつけてください。

これでISSのメンテナンスは終了です。以下のビデオもご参考になさってください。それではいい一日を!

  

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