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2022年02月08日

気象観測機器

爆弾低気圧 と 大気の川

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昨年10月末にカリフォルニアは「 爆弾低気圧 」と「 大気の川 」の二重のパンチに見舞われました。丁度この時期、カリフォルニアは恐ろしい大規模山火事が続き、大きな被害をもたらしていました。それに続く干ばつもあり、低気圧によって雨が降ることは恵みのようにも思えましたが、一方で大量の雨が一時期に振ることで、山火事で荒廃した地域に洪水や土石流をもたらす危険性もありました。

爆弾低気圧 とはどんなものでしょうか?

爆弾低気圧という言葉には、この種の気象現象を説明する2つの単語が含まれています。「低気圧」はハリケーンのように、風がそれに向かって渦巻く気圧の低い領域のことを指します。「爆弾」の部分は、その圧力の低下が急激なスピードで起こることを指しています。爆弾低気圧は急速に強まる嵐であり、中心気圧は24時間以内に24ヘクトパスカル以上急降下します。その形成は「爆弾発生」と称されます。その週の衛星画像は水曜日から木曜日にかけて35ヘクトパスカルの気圧急降下があり、、ハリケーンのように海岸から暴風雨が発生していたことを示しています。そのため、この時の低気圧は「爆弾低気圧」と呼ばれました。この低気圧は太平洋上空で見られる一連の嵐の中で2番目に発生した爆弾低気圧でした。

この爆弾低気圧に伴う嵐は、単なる爆弾低気圧のみならず、大きなパイナップルエクスプレスの「大気の川」をもたらしました。

大気の川とはどういったものでしょうか?

川が陸地の水の流れであるのに対して、大気の川は大気中の水蒸気の流れです。

大気中のほとんどの水蒸気は赤道に集中しています。海の上の風は湿気を小さなストリームに押し込み、それを地球の極に向かって移動させます。大気の川は天候に合わせて移動し、いつでも地球のどこかに存在します。それらは地球上で最大の淡水輸送システムといえます。

大気の川

大気の川は、長さが数千マイル、幅が数百マイルになる可能性があります。 NOAA地球システム研究所によると、強い大気の川は、ミシシッピ川の河口での平均的な水の流れと比較して、最大15倍の水蒸気を輸送することができます。それらは地表に比較的近い場所を流れるので、陸地に近づくと気象パターンとしてそれらは上昇して冷える傾向があり、水分を雨として放出します。

大気の川は、カリフォルニアの水供給にとって非常に重要です。ハワイ近郊の熱帯太平洋上に形成された有名な「パイナップル・エクスプレス」大気の川を含め、カリフォルニアの年間降水量の大半を占めています。

大気の川は、その強さと持続時間の両方によって分類されます。両方を組み合わせると、大気の川は最も弱いものから1、最も強いものが5に分類されます。スクリップス海洋研究所の異常気象センター所長であるマーティ・ラルフ氏によると、AR3の大気の川は数百万ドルの被害をもたらし、AR5は平均して数億ドルの被害をもたらすとのことです。

この嵐は、一部の地域では30cmの降雨、シエラネバダ山脈では1mの雪をもたらしました。 西部カリフォルニアでは、山火事の季節が終わったという素晴らしいニュースを告げています。 しかし、大火災に焼けた丘の中腹よりも低い場所に住む人や、あるいは建物や道路にとっては良いニュースではありません。 「焼けた傷跡のある」土壌は、植生の喪失によって緩むだけでなく、舗道のように水をはじくこともできます。 これは、鉄砲水、地滑り、土石流が暴風雨によって引き起こされる可能性が高いことを意味します。

この嵐は、ワシントンからサンディエゴまでの西海岸を洗い流し、干ばつの終わりではないかもしれませんが、カリフォルニア州に多くの必要な雨をもたらしました。しかしそれが危険なものであることに変わりはありません。私たちはその雨を望んでいましたが、1つの週末にすべてを望んでいるわけではありません。過ぎたるは及ばざるが如しで、危険性はできるだけ避けたいものです。

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